第五回教育研究ネットワーク会合を開催
2012年2月1日、中央大学理工学部において、国際水環境理工学人材育成プログラム第五回教育研究ネットワーク*会合が開催されました。会合には、産官学の関係者27名が参加しました。
今回会合のテーマは、(1)2013年度外国人留学生大学推薦特別入試日程及び学生募集活動、(2)「国際水環境理工学研究広州シンポジウム(仮称)」の概要(3)中国の最新「水ビジネス」市場分析に関する情報提供、(4)2012年度入学外国人留学生の自己紹介でした。
冒頭、本プログラムの取組実施責任者である理工学部山田正教授は、「本プログラムが中国、韓国、ベトナム等の学生教育だけにとどまるのではなく、プログラムを支援する日本の産業界と彼らの国々との強いネットワークが形成されることが大切で、これを通じて日本がアジアの水問題の解決に貢献することが目的である。育成した人材が日本とそれらの国々との架け橋となること、水ビジネスにおいて役立つ人材として活躍することを目指しているところ、産業界の方には、末長いお付き合いをお願いしたい。さらに、この会合が関係者の有益な情報交換の場となるよう期待する。」と挨拶しました。
次に、本プログラムの総括コーディネータを務める理工学部大平一典特任教授より、2013年度外国人留学生大学入試日程及び学生募集活動についての紹介がありました。
大平特任教授は、「12月に中国の4つの大学(河海大学、四川大学、北京師範大学、大連理工大学)で学生向け説明会を開催したところ、50名規模で、学生が集まった大学もあり、プログラムに対する関心の高さがうかがえた。中には、日本語能力試験1,2級をすでに取得している学生もおり、2013年度入学試験には多いに期待している。他方で、学生からは、生活費を心配する質問も多く、各社には、引き続き、奨学金制度制定をお願いしたい。奨学金制度制定はハードルが高いということであれば、彼らの勉強になるアルバイトでもよいので紹介をお願いしたい。」と述べました。
北京師範大学で学生向け説明会を行った山田教授は、「各社が期待する留学生像や修得させるべき技術や能力について、率直な意見を伺いたい。」と述べました。
続けて、大平特任教授が、3月23日から25日の日程で、中山大学(広東省)において開催する「国際水環境理工学研究広州シンポジウム(仮称)」のプログラム構成案を説明しました。シンポジウム1日目は、中国工程院(Chinese Academy of Engineering)の院士も交えた学術的に高いレベルの講演が行われる予定で、2日目は、水環境を学ぶ双方の大学院生の発表、産業界の発表で構成されます。日本側産業界からの発表は5社程度を予定しているところ、パネル展示とあわせ、優良技術の積極的な紹介を依頼しました。
引き続き大平特任教授が、公益財団法人国際研修交流協会泉研究員より提供のあった資料「中国の最新水ビジネス市場分析」の概要を説明しました。資料によれば、中国では汚泥処理が深刻な問題となっており、日本の優良技術はここでも活かすチャンスがあるとのことです。
最後に、2012年度入学外国人留学生2名(中国中山大学出身、ベトナム水資源大学出身)から自己紹介がありました。2名は、現在、研究生として日本語研修プログラムに参加しています。その成果として、冒頭挨拶は一部日本語で行われました。引き続き、留学目的、自身の専門や関心領域、卒業論文や修士論文のテーマなどにつき、流ちょうな英語で説明しました。
最後に山田教授が「このように進取の精神に富み、礼儀正しく優秀な留学生に日本人学生も負けぬよう、ともに切磋琢磨させ、役に立つ技術を修得させたいと考えているところ、よろしくご支援頂きたい」と締めくくりました。
*「教育研究ネットワーク」とは、産学官の連携により、国際水環境理工学人材育成プログラムを推進するための組織で、具体的には、プログラムの運営、教育カリキュラムの開発、インターンシップ実施及び発展を支援することを目的としています。会合での議論は、プログラムの充実・発展に反映させることを目指しており、多くの産業界の方の参加をお願いしています。教育研究ネットワークには、自発的意思により参加する会員により構成されています。現在、24の組織の方に支援を頂いています。