山下真史教授の著書 『中島敦とその時代』 (新刊紹介)
『中島敦とその時代』
双文社出版 2009年12月4日刊行 3360円
※国文学研究室にて、割引価格でお頒けしています。
—– 帯より —–
〈存在の不確かさ〉〈現実への懐疑〉は、中島敦のみならず、同時代の
大きな問題であったが、戦争の開始とともにそれはなし崩しに「解消」
された。中島敦は、現実や自己を疑うという〈因果な病〉を逆手に取り、
戦時下にあってニヒリズムにも狂言にも陥ることなく、現実を相対化する
姿勢を持ち続けた。現実と切り結ぶその優れた文学的営為を浮き彫りに
する論考。
—– 目次より —–
序 章 中島敦とその時代
第一章 『虎狩』論
第二章 『過去帳』論
第一節 「かめれおん日記」論
第二節 「狼疾記」論
第三章 『わが西遊記』論
第一節 〈母恋〉物語
第二節 自意識過剰をめぐって
第四章 『古譚』論
第五章 『光と風と夢』論
第六章 『南島譚』『環礁』論
第七章 『名人伝』論
第八章 『弟子』論
第九章 『李陵』論
あとがき