2009年度第3回松下研パターン形成セミナー
講演者: 竹内一将氏(東京大学大学院理学系研究科)
題 目: 液晶電気対流における乱流界面成長 – スケーリングと揺らぎ分布 –
概要:界面成長は典型的な非平衡プロセスであり、実験的にも理論的にも熱心に研究が なされてきたが、実験の示唆する多様なスケール不変性と、Kardar-Parisi- Zhang(KPZ)方程式に代表される豊かな理論構造との対応は必ずしもついていな い。そこで我々は、KPZ理論の詳細な実験検証を目的とし、液晶電気対流で見られる乱流界面成長の実験を行った。ネマチック液晶に高い交流電圧を印加するとDSM2と呼ばれる位相欠陥乱流が生 じ、その成長の際には界面のrougheningが見られる。この界面成長を制御された条件下で多数回測定したところ、界面の自己相似性を特徴付ける粗さ指数・成長指数の双方がKPZクラスの値と一致することが判明した。さらに、界面の揺らぎ分布の測定から、(1+1)次元KPZクラスではそれがランダム行列の最大固有値分布に従うという最近の理論的予言の検証にも成功した。セミナーでは、理論的に予言されている揺らぎ分布のジオメトリ依存性の実験検証の可能性、また液晶乱流界面がKPZクラスに属する理由についても議論する。
日 時: 2009年11月27日(金)、16:30~18:00
場 所: 中央大学理工学部 1号館 2階 1217室
(〒112-8551 文京区春日1-13-27;東京メトロ丸の内線、南北線の後楽園駅または都営地下鉄大江戸線、三田線の春日駅から徒歩5分)
アクセス:
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_korakuen_j.html
駐車スペースがございませんので、公共の交通機関をご利用ください。
問い合わせ先:中大・理工・物理
松下 貢 TEL: (03) 3817-1787
E-mail: matusita@phys.chuo-u.ac.jp
國仲 寛人 TEL: (03) 3817-1778
E-mail: kuninaka@phys.chuo-u.ac.jp