物理学科談話会
物理学科談話会
講演者: 鹿野田一司 氏 (東京大学工学部・物理工学科・教授)
題 目: 「しょっぱい砂糖」
日 時: 7月17日(金) 16:30~18:00
場 所: 中央大学理工学部6号館7階、6701教室
概 要:
二種類の分子が交互に積み重なってできるある種の分子性固体において、
中性-イオン性転移という現象が見られる。分子間で電子が移動することによる
電子エネルギーの損と静電エネルギー(マーデルングエネルギー)の利得が拮抗
しているために、温度や圧力など結晶の環境を変えることにより、"中性状態"と"
イオン性状態"が入れ替わる現象である。この2つのマクロな状態の入れ替わり
が量子揺らぎとして現れ得ることが、堀内(産総研)十倉(東大)によって指摘
された。私たちの研究室では、この現象を核四重極共鳴という実験手法によって
捕らえることを試みた。この実験方法では、電荷の移動とその揺らぎを高い感度
で調べることが出来る。その結果分かったことが、本題目の意味するところであ
る。