中央大学学生部講演会 橋本周司 早稲田大学教授
◆演 題 「心を持った機械は作れるか?」
◆講 師 橋本 周司(はしもと しゅうじ) 教授
(早稲田大学理工学部応用物理学科)
◆日 時 2006年11月27日 (月) 16:30~18:00
◆場 所 中央大学後楽園キャンパス 3号館3階 中央大学高校小ホール
◆講演要旨 いくら巧みに作られていても、自動的に動く人形を見て、私たちはこれを生きているとは言いません。私たちが、「生き物のような」と言うとき、形よりもむしろ、機能、つまり、私たち人間や外界からの働きかけに対する反応の仕方の類似性に単なる自動機械とは異なるものを求めているようです。これを端的に表すのが「心を持った機械」という言い回しです。何かを考えているように答える、あるいは、感情があるように反応すると心を持っているように思います。心を持った機械はもはや単なる機械ではないでしょう。このような機械を私たちはまだ持っていませんが、心を持つ機械を作るというのは、随分面白そうな挑戦だとは思いませんか。歴史的には、この逆に、人間を「心を持った機械」として理解しようという試みが古くから行われていますが、これもなかなか難しい問題です。機械が心を持ち得るか、人間は機械なのか、という問いは哲学の課題でもありますが、現代の理工学は、これまでよりもっと人間に使いやすい機械をつくるという実用上の問題として、あるいは、人間が自分自身を知るための脳科学の根本問題として、この問いに答え始めようとしています。ここでは、私たちがロボット研究を通して考えている課題「心を持った機械は作れるか」についてお話したいと思います。
◆講師経歴 1970年早稲田大学理工学部応用物理学科卒。東邦大学講師、助教授、早稲田大学助教授を経て、1993年より早稲田大学理工学部応用物理学科教授。また、2000年4 月より早稲田大学ヒューマノイド研究所所長。2006年9月より早稲田大学理工学術院長。確率過程の応用、画像処理、ロボティクス、音楽情報処理、などの研究を通して、人間共存ロボット、メタアルゴリズム、感性情報処理、ヒューマンインタ フェースに興味を持つ。工学博士。主な著書(共著)、仮想音楽空間、人間型ロボットのはなし、岩波講座マルチメディア情報学第1巻など。国際コンピュータ音楽協会副会長、IEEE 東京支部理事、画像電子学会理事、電子通信情報学会ヒューマンコミュニケーショングループ委員長などを歴任。現在、日本顔学会副会長、日本AS-i協会会長
◆その他 入場無料 (200名)
◆問合せ先 中央大学理工学部学生生活課 (℡03-3817-1666)
後楽園キャンパス 〒112-8551東京都文京区春日1-13-27
◆交通手段 ○ 東京メトロ丸の内線・南北線『後楽園駅』から徒歩5分
○ 都営三田線・大江戸線『春日駅』から徒歩7分
○ JR総武線『水道橋』から徒歩15分