第24回中央大学学術シンポジウム「ナノスケール・ミクロスケールから見えるビッグな世界」研究会
本学術シンポジウムの課題と関連の深い二つの話題を集めて研究会を開催します.
最初の講演は本学理工学研究科の卒業生で三井化学分析センターにお勤めの生井勝康博士にお願いしました.総合化学メーカーにおける技術開発においてナノスケールの構造・物性評価が重要となる事例をご紹介頂きます.
二つ目の講演は千葉大学大学院融合科学研究科・ナノサイエンス専攻助教の二木かおり博士にお願いしました.結晶表面の摩擦におけるナノスケールとミリスケールの接点について,中央大学在職中の研究を中心にお話し頂きます.
題目 1:
企業での研究開発におけるナノスケールでの構造及び物性評価事例の紹介
講演者:生井 勝康 博士 (㈱三井化学 分析センター・材料物性研究部)
要旨:
近年,電子,光学及び生体材料など様々な分野での研究開発において,更なる微細化が求められており,ミクロスケールからナノスケールでの構造評価が必須となっている.また,物性評価に関しても同様の傾向が見られており,構造及び物性の両面からの極微小領域での評価が重要となりつつある.本講演では,ナノスケールでの構造及び物性評価技術に関して,当社での事例などを基に最近のトピックスを紹介する.
題目 2:
結晶表面のトライボロジー -ナノとミリをつなぐ-
講演者: 二木 かおり 博士 (千葉大学大学院・融合科学研究科・ナノサイエンス専攻 助教)
要旨:
中央大学理工学部の表面化学研究室では,結晶表面における成長・溶解、不斉増殖反応に関わるキラル分子の吸着、また、摩擦・摩耗現象などについて実験を行い,そこに含まれる原子・分子的過程を明らかにしてきた.大学院生・卒研生と行った研究結果を基に,更に進化した新しい結果が日々生まれ,それらを学会発表・論文を通して世界に発信し続けている.本講演では主に,イオン結晶表面における摩擦機構について述べる.ここ数年で目覚しく発展し,明らかになったマイクロスケールの摩擦機構について話し,また,これまで研究室で明らかにしてきたナノ摩擦との関係を統一的に説明する.
連絡先:中央大学理工学部応用化学科
新藤 斎