文学部教授 宇佐美毅編著『村上春樹と一九九〇年代』(新刊紹介)
『村上春樹と一九九〇年代』
おうふう 2012年5月刊行
ISBN978-4-273-03680-5C3093 2,500円(税別)
◆帯より
九〇年代から"現在"へ。春樹作品が語る、記憶 闘争 そして倫理。
◆目次より —– * —– * —–
はじめにt… 千田洋幸
論文編
第Ⅰ章 一九九五年・震災・オウム
二つの世界と境界線の力学-90年代の村上春樹をめぐって …t矢野利裕
『満州国』にまつわる暴力性と<ノンフィクション>の<虚構>性
―村上春樹『アンダーグラウンド』における『総括』の方法 …t山田夏樹
『アンダーグラウンド』と『約束された場所で』
―村上春樹のコミットメントtttt …t山下真史
〈悲観的な希望〉を生きる
―連作短編集『神の子どもたちはみな踊る』tt …t野中 潤
『蜂蜜パイ』・『輪るピングドラム』における分有への意志
―あるいは、一九九五年以後の"生存戦略"tt …t千田洋幸
第Ⅱ章 <総力戦>としての長編・中編小説
『ねじまき鳥クロニクル』論
―方法としての<描写>/作用としての<象徴>tt … 木村友彦
固有名・歴史・声 -村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』論 …t大川武司
『国境の南、太陽の西』再読 ―根源としてのリアルt … 齋藤 祐
『スプートニクの恋人』
―重なり合う断片、可能性としての/への移動tt … 石川治樹
第Ⅲ章 短編小説の試み
日々の泡 ―『トニー滝谷』と大量消費社会tt …t長谷川達哉
『青が消える(Losing Blue)』の可能性
―<パラレル・ワールド>の物語は<いま・ここ>に何を問いかけるのか
ttttttt … 大高知児
『レキシントンの幽霊』論
―『僕』は『オールドマネー』の途絶に、どのように立ち会ったのか
ttttttt … 駒ヶ嶺泰暁
教材としての『待ち伏せ』
―<リアル>と<フィクション>のパラドクスtt …t早川香世
第Ⅳ章 村上春樹ワールドの多面性
ベストセラーが現象させた『フラット化』の条件
―村上春樹『ノルウェイの森』の受容風景からt… 田村謙典
葬送小説としての村上春樹ttt… 藤崎央嗣
ア・ポートレイト・オブ・ハルキ・ムラカミt… 金井二朗
村上春樹は嘘をつく/嘘をつかないtt… 宇佐美毅
研究史編
『国境の南、太陽の西』ttt… 齋藤 祐
『ねじまき鳥クロニクル』ttt… 木村友彦
『スプートニクの恋人』ttt… 石川治樹
『アンダーグラウンド』『約束された場所で』t… 山田夏樹
短編小説(九〇年代前半)ttt… 藤崎央嗣
短編小説(九〇年代後半)ttt… 松井史絵
『神の子どもたちはみな踊る』ttt… 大石將朝
あとがきt… 宇佐美毅
◆ 関連サイト