PPR蛋白質による複数のRNA配列認識機構のトリックを解明
理工学部助教 奥田 賢治(生命科学科)はこの度、生物の遺伝子発現において重要な役割を果たしていると考えられる、“PPR蛋白質によるRNA配列認識”のメカニズムを明らかにしました。
遺伝子発現とは、DNAに書かれた遺伝情報をRNAに転写した後、それが翻訳され蛋白質として合成される過程です。したがって、RNAの働きを制御することで、遺伝情報の発現を制御できると考えられています。このRNA上の特定の配列を認識し、結合する蛋白質として“PPR蛋白質”が知られており、それはRNAの制御に重要な鍵因子と考えられています。しかし、PPR蛋白質がどのように特定のRNA配列を複数認識しているかについては、ほとんど未解明でした。今回、1) PPR蛋白質が配列的に似ていないRNAを複数認識できることを実証し、2) 各PPR蛋白質が複数持つ“PPRモチーフ”を使い分けることで複数のRNA配列の認識を可能にしていることを明らかにしました。
本研究成果は、“Nucleic Acids Research”誌への掲載が決定しています。(オンライン版では2月23日付で掲載)
ご興味をお持ちの方は、以下のリンク先をご覧ください。