公開研究会のお知らせ
◆講 師:佐佐木 茂美 氏(明星大学名誉教授)
◆テーマ:「書き変わる神話」―『散文トリスタン物語』(その3)およびオヴィディ
ウス『転身の譜』中世版をめぐって―
「書き変わる神話」の例として、13世紀に書かれた2つのテクスト、『散文トリスタン物語』と『道徳化されたオヴィディウス』を個別に検討 する。 前半では、昨年・一昨年に続いて『散文トリスタン物語』を取り上げ、「狩猟」の生み出す「驚異」が「音声/音響空間」としてテクストを再編することを明 らかにする(具体的には、1)「吠える獣」/狩猟犬、2)音楽と詩歌の空間として蘇る音声/音響に注目する)。後半では、古典古代神話の集大成 『転身の譜』の中世版の大幅な加筆に(古典の読者には知られざる、中世の専門家も未検出の)神話の「主」 (ヌシ)捜しを試みる。
◆企 画:人文科学研究所 研究会チーム 「アーサー王物語研究」