第四回教育研究ネットワーク会合を開催
2011年12月12日、中央大学理工学部において、国際水環境理工学人材育成プログラム第四回教育研究ネットワーク*会合が開催されました。会合には、産官学の関係者21名が参加しました。
今回会合のテーマは、(1)2012年度入学外国人留学生「大学特別入試」の実施結果に関する報告、(2)中国広州市周辺河川現地調査結果に関する報告、(3)中山大学(中国)との研究交流会の開催に関する報告でした。
冒頭、本プログラムの取組実施責任者である理工学部山田正教授は、「東日本大震災の発生を契機に、水インフラ災害の防止や水インフラが果たす災害被害の軽減機能について、政府も注目している。こうした動きの下、水インフラ関係者は自分たちが従事してきた仕事に自信をもってさらに取り組むことが大切である」と挨拶をしました。
次に、本プログラムの総括コーディネータを務める理工学部大平一典特任教授より、「特別入試」の実施結果についての報告がありました。
2次募集の結果、(1)中国(中山大学、上海交通大学出身)とベトナム(水資源大学)の3名が合格し、1月に日本語プログラムを受講するために来日すること、(2)今回は既卒者対象の入試であったが、協定校の4年生の反応がよく、2013年度入学生入試では、留学生の増加が見込まれること、(3)優秀な留学生が生活費稼ぎに追われずに勉学に専念できるよう、奨学金制度の創設等の支援をお願いしたいと述べました。
引き続き、大平特任教授から、河川現地調査結果についての報告が行なわれました。この調査は、中山大学と共催を予定している研究交流会(国際シンポジウム)で発表・討論のテーマとして取上げる水環境課題を整理することを目的として実施されました。
大平特任教授は、自身が訪問した佛山市、球海市、広州市の水課題や状況に関し、いずれの市も水質浄化や汚水・汚泥処理などに精力的に取り組んでいるが、対策は支流までは十分には及んでいない、これら都市は、水環境をよくするために先進的な技術の導入を加速化したいと考えており、それに対する日本からの協力を期待していること等を紹介しました。
続けて大平特任教授より、日本企業が日本の優れた技術を活用して、上述のような中国の水環境問題の解決を支援できるよう、各社は得意とする技術を研究交流会で発表するよう依頼しました。山田教授はこれを補足し、日本は優れた技術を持ちながら、アクションが遅い。タイの洪水への協力でも、オランダやインド、中国の後塵を拝している。日本企業はビジネスチャンスに貪欲にアプローチする必要があると述べました。
最後に大平特任教授より、次回の教育研究ネットワークでは、1月に来日する留学生3名を皆さんにぜひとも紹介したいとして会議を締めくくりました。
*「教育研究ネットワーク」とは、産学官の連携により、国際水環境理工学人材育成プログラムを推進するための組織で、具体的には、プログラムの運営、教育カリキュラムの開発、インターンシップ実施及び発展を支援することを目的としています。会合での議論は、プログラムの充実・発展に反映させることを目指しており、多くの産業界の方の参加をお願いしています。教育研究ネットワークには、自発的意思により参加する会員により構成されています。現在、24の組織の方に支援を頂いています。