公開研究会のお知らせ
◆講 師:ナタリア・ペトロフスカイア氏(ケンブリッジ大学博士課程)
◆テーマ:ウェールズの聖杯伝説とケルト神話―『ブリテン島三題歌』と「マビノギ四枝」をめぐって―
現存するウェールズの聖杯伝説が、現在の形に纏まったのは12世紀であり(おそらく11世紀以前とは考えられない)、現存する写本は13世紀以降に書かれた。そのため、12~13世紀にウェールズで知られていたケルト神話と同時代の文化と政治状況を調べれば、当時新しく作り直された聖杯伝説の起源がそこにある可能性が高い。本報告では、ケルト神話の宝典とも呼ばれるウェールズの『ブリテン島三題歌』と『マビノギオン』中の「マビノギ四枝」、さらには同時代の状況に関する情報に依拠して、ウェールズの聖杯伝説の背景を考え直したい。
◆企画:人文科学研究所研究会チーム 「アーサー王物語研究」