准教授山下誠が第52回東レ科学技術研究助成を受領することが決定しました
応用化学科准教授山下誠が日本化学会の推薦を受けて、公益財団法人東レ科学振興会より第52回東レ科学技術研究助成を受領することが決定しました。この助成は科学技術の基礎的、萌芽的研究を行っている若手研究者への資金援助で、募集は主要68学協会および東レ科学振興会の推薦委員の推薦により行われています。
採択された助成内容要旨は以下の通りです。
現代の石油化学は古くから不均一系触媒を用いて非常に高転化率、高収率の反応を達成しているが、熱エネルギーの無駄が多い。これに対し、21世紀における均一系触媒の最先端の知識を利用して、より高活性で低温運転が可能な石油化学用触媒を創製すれば、大幅な消費エネルギー削減が可能になると予測される。そこで本研究提案では、申請者がこれまでに開発したPBPピンサー配位子を有する、熱に対して非常に安定な金属錯体に対して、金属-配位子協奏型の反応を取り入れ、高い活性・選択性を達成可能な均一系錯体触媒を開発することで、新しい石油化学プロセスの構築を目指す。具体的には(i)PBPピンサー配位子を有する金属錯体の合成と性質の解明、(ii)PBPピンサー配位子を有する金属錯体を用いた触媒反応開発、の二段階に分けて進める。