文学部教授 鈴木俊幸 著 『新版 蔦屋重三郎』 (新刊紹介)
『新版 蔦屋重三郎 』
(平凡社ライブラリー 756)
平凡社 2012年2月刊行
ISBN 978-4-582-76756-8 1,575円(税込)
◆ 平凡社オンライン図書目録より
近世後期、江戸の文化状況を演出した本屋・蔦重。
厖大な資料を駆使し、出来合いのイメージを払拭した商人・蔦重の秘密を解き明かす。
名著の待望の新版・ライブラリー化。解説=山本英二
◆ カバーより
蔦屋重三郎とはなにものか? 本書はこの問いに、
この人物が何のためにどんな出版物をつくって売ったか、
をもって答える。 するとすぐさま消し去られるのは、
体制に批判的な先進的文化人といったイメージであり、
見えてくるのは、吉原出自の宣伝巧者、堅い商売に専心し、
出版を組み込んで遊ぶ戯作文芸の仕掛けを利用して、
失敗知らずの本づくりをたくらむ商人の姿である。
蔦重を知り、この時代の文化・文学の基底を知るに
必読の名著を、コンパクトな新版で。
◆ 帯より
蔦重とはなにものか?
近世後期、江戸の都市文化を華麗に演出したこの男は、
なにより吉原出自で商才に長けた、まことに手堅い商人である。
蔦屋重三郎研究の決定版にして、この時代の文化・文学を知る必読書!
解説=山本英二
◆ 目次より —– * —– * —–
はじめに
Ⅰ 吉原の本屋蔦屋重三郎
付論-蔦屋重三郎の面影
Ⅱ 天明期狂歌・戯作壇の形成と狂歌師蔦唐丸
Ⅲ 戯作と蔦屋重三郎
Ⅳ 蔦重の戯作出版とその流通
Ⅴ 狂歌界の動向と蔦屋重三郎
Ⅵ 絵本と浮世絵
付論1-歌麿画『駿河舞』の一図をめぐって
付論2-摺物所蔦屋重三郎
蔦重版の摺物 狂歌集の出版
錦絵という「摺物」 蔦重の浮世絵出版
Ⅶ 寛政改革とその後
あとがき
「平凡社ライブラリー版 あとがき」にかえて
解説-近世文学と近世史を架橋する原点を探る 山本英二
書名索引・人名索引
—– * —– * —– * —–
本書は1998年11月、若草書房より刊行されたものをもとにして、
その最終章「蔦屋重三郎代々年譜」を省き、付論を増補したものである。