鈴木俊幸教授の著書 『絵草紙屋 江戸の浮世絵ショップ』(新刊紹介)
『絵草紙屋 江戸の浮世絵ショップ』
(平凡社選書 230)
平凡社 2010年12月15日刊行
ISBN 978-4-582-84230-2
2,940円(税込)
◆ 平凡社オンライン図書目録より
絵本、玩具、浮世絵、おのぼりさん向け江戸土産など、値の張らない
娯楽や都市の最新情報、そして江戸らしさを売った絵草紙屋。
近世文化の基層を商う店の実像を明らかにする待望の一冊。
◆ カバーより
「草紙の文化は江戸の花である。路地の日常に咲く他愛ない花である。
…浮世絵や草双紙などの無駄花のことを、またその無駄花を、無駄を
承知で温存していた時代、社会のことを知りたかった」(「おわりに」より)
直球勝負は難しい「ふつう」の文化を知ることのために、著者は、浮世絵
や草双紙が生活の中に入って行く窓口たる「絵草紙屋」に焦点をすえる。
遊里や芝居の情報をはじめ絵と言葉で流行の先端を告げ知らせ、絵本
やおもちゃを売って子どもと大人のお楽しみを演出し、土産物を提供して
江戸らしさのセンターとなり…、「ふつう」の文化の前線基地の実相を、
膨大に収集した資料を駆使して探り描きだす。
近世文化の生きた姿をとらえる著者ならではの一冊。
◆ 帯より
時代を象徴する装置!
都市・江戸の出版文化を代表するのは、浮世絵や絵本などの「草紙」であり、
それはさらに、江戸という地域を、出版という枠を超え、
「ふつう」の文化を象徴するものとなった。
草紙類を商うスポット「絵草紙屋」に視点を定め、
この時代の日々の文化をとらえる。
* * * 目次より * * *
はじめに -草紙の文化と絵草紙屋-
第一章 絵草紙屋の風景
1 絵草紙屋のはじまり
2 店頭風景
3 魅力の品揃え
4 メディアとしての絵草紙屋
5 季節の中で
第二章 江戸の絵草紙屋
1 地本問屋と絵草紙屋
2 絵は神明前
3 浅草の絵草紙屋
4 池之端の絵草紙屋
5 馬喰町・両国あたりの絵草紙屋
6 四谷の絵草紙屋
第三章 地方の絵草紙屋と草紙類の広域的流通
1 信濃における草紙流通
2 横浜の絵草紙屋
第四章 上方の絵草紙屋
1 大坂のはんこ屋
2 京都の絵草紙屋
第五章 子どもと草紙、子どもと絵草紙屋
1 小さなお客
2 草紙の位置
3 地口と下ネタ
4 絵草紙屋の店先
5 江戸時代の学び
第六章 絵草紙屋消滅
1 明治の地本業界
2 新聞と雑誌
3 絵草紙屋消滅
4 絵草紙屋追懐
おわりに