【高校生対象】ISEラボ体験
ISEラボ体験(ISE: Information and Systems Engineering)は、横浜山手中学校・高等学校の生徒が、理工学部情報工学科のいくつかの研究室において、卒研生・院生の支援を受けつつ、研究活動を1日体験するものです。
※一般開放の実験教室については、下のリンクを参照して下さい。
未体験の期待感ある授業により「感動する力」を、また、充実感・達成感の獲得により「達成志向」を養うとともに、適性の自己判断を可能にする「論理的思考」を養うことを目的とします。
以下のテーマ(研究室)に分かれて、活動します。
■ バーチャルリアリティ(牧野研)
牧野研究室は、「システム解析・可視化」を研究対象としています。すなわち、コンピュータグラフィックス(CG)やバーチャルリアリティ(VR)を単なる鑑賞の対象としてではなく、工学的側面から人や社会に役立つ技術・学問としてとらえ、そのためのアルゴリズム考案やシステム開発を進めています。当テーマでは、自分の操作に応じた視点から立体的に見ることができるバーチャルリアリティ装置 ChuoCAVE 上で動かすコンテンツの制作体験を行います。これは、本学情報工学科1年生の演習内容の一部を高校生向けにアレンジしたものなので、大学生が取り組むチームプロジェクトを垣間見ることができるでしょう。
■ 世界の国旗の計算的CGデザイン(鈴木研)
国旗は直線や円(弧)から構成された単純な幾何学的模様であることが多いので、わざわざ一画素ずつ色情報を指定する必要はなく、図形の方程式により数画素の色情報をまとめて指定できます。例えば日本の国旗は、白色の画素のみから成る長方形を表す方程式、および、赤色の画素のみから成る円を表す方程式によって記述できます。この要領で単純な幾何学的模様を計算的に生成するための方程式を設計する過程を、ここでは計算的CGデザインと呼びます。世界の国旗を計算的CGデザインすることに挑戦します。
■ 勉強時間のスケジューリング(今井研)
情報工学の分野には、「スケジューリング問題」と呼ばれる問題があります。これは、さまざまな条件のもとで、希望に沿ったスケジュールを、数理的な手段を用いて構成する問題です。例えば、病院の看護師の方たちを対象として、いつ誰が夜勤をするかについて、必要な人数や個人の希望などの制約を満たしながら、無理のないスケジュールを作るといった問題が該当します。当テーマでは、大学進学に向けて自分で設定した目標を達成するために、「寝ないで勉強するわけにはいかない」といった制約のもとで、最適な自分専用の勉強スケジュールを作ることを考えます。
■ 都市空間のオペレーションズ・リサーチ(鳥海研)
私達が住んでいる都市を見回してみると、需要と供給のバランスが崩れているためにうまく機能していないシステムが多数あることに気付きます。例えば、
– 朝の登校時には、電車が非常に混んでいる
– 救急車が病人を搬送する際、病院をたらい回しにされる
などです。当テーマでは、施設の偏在が地域住民にどのような影響を与えているかについて、地理情報や統計情報をもとに定量的に分析する方法を学びます。また、「周産期母子医療センター」を具体例として、なるべく多くの都道府県を対象に分析し結果を地図に表示することにより、地域の比較をおこないます。