鈴木隆介名誉教授に国際地形学会名誉会員の称号授与
本学名誉教授の鈴木隆介先生に、「国際地形学会(International Association of Geomorphologists:略称IAG)」の名誉会員(Honorary Fellow)の称号が授与されました。IAGは、1989年ドイツで開催された第2回国際地形学会議を機に結成された地形学を研究するための国際組織で、参加国・地域は58、正式の国際地形学会議は4年に1度、またその間に地域会議が随時開催されています。本年7月のオーストラリアのメルボルンで開催された第7回国際地形学会議で、鈴木先生と他の3人の国際的に著名な地形学者に名誉会員の称号を贈られました。名誉会員は、毎回の国際会議で1~4名に贈呈され、これまでに17名で、鈴木先生は、欧米以外からの受賞者として故吉川虎雄東大名誉教授に次いで2人目です。
IAGニュースレターNo. 24には、鈴木先生への称号の贈呈理由が次のように要約されています。
鈴木隆介中央大学名誉教授は、日本の指導的な地形学者の1人で、「日本地形学連合」会長や同機関学術誌「地形」の編集長(10年間)を努め、また特筆すべき成功をおさめた第5回国際地形学会議(2001年、東京)の組織委員長としての卓抜な運営などによる学界への多年の貢献をされた。加えて、研究面においては岩石の性質の多種多様な地形形成過程に及ぼす影響についての先駆的・独創的な研究、さらに地形学と工学の境界領域の開拓的研究を行ったことを称賛する。
地形学は、地表の形態、その変化、形態をつくる仕組みなどを研究する学問ですが、鈴木先生は2007年に定年退職されるまで42年にわたり本学の理工学部地学教室で地形学の研究とその研究成果を組み入れた地学・地形工学・地質工学などの教育に従事されてきました。
第5回国際地形学会議が、本学の後楽園キャンパスが主会場となり、鈴木研究室の技術員、大学院生、学生などが一丸となって成功させた会議であったこと、また国際的にも高く評価されている研究ならびにその研究に基づく教育が本学で行われていたことは、中央大学としても大いに誇るべきことでしょう。