【国際交流・公開研究セミナー】オミックス技術を用いた生体中のセレンと水銀の相互作用の研究
【題目】:「Studies on Interaction of Selenium and Mercury in Biological Systems by -omics
Techniques- A pilot study in Hg-exposed populations from Hg-mining area of China
(オミックス技術を用いた生体中のセレンと水銀の相互作用の研究
-中国の水銀鉱山地域で水銀を暴露した人の予備的研究-)」
【講演者】:Dr. Yu-Feng Li
(中国,Institute of High Energy Physics, Chinese Academy of Sciences)
【アブストラクト】:
セレン (Se) は生体において必須元素である一方、過剰摂取により毒性を示す。しかし、セレンと 水銀 (Hg) を同時に動物に投与した場合、それぞれの毒性が打ち消されることが知られている。長期間Hgを暴露した人へのSe補給の効果に関する研究を行うため、尿,血液及び毛髪試料を採取した。
本講演では、これらの試料に対して、HgとSeの相互作用を明らかにする様々な分析技術、それに、Hg汚染地域での生体試料中の金属タンパク質分布の解明について紹介する。
講演は以下に示すように3つのパートから成っている。
1)Hg-Se化合物の同定を目指した、HPLC-ICP-MS によるヒト体液中におけるHg及びSe化学種の同時定量、及びSR-XRF(放射光蛍光X線分析)による毛髪中のHg及びSe化学種の同時定量
2)Synchrotron-based XAS(放射光X線吸収分析)による生体試料中の化学形態及び化学構造の研究
3)電気泳動とSR-XRFの複合技術によるHg汚染地域における生体試料中での金属タンパク質分布の解明
講演終了後、懇親会を予定しております。
連絡先:中央大学 理工学部 応用化学科
古田 直紀